豊丘時竹の続続「平素の戯言」

エッセイでもコラムでも随筆でもなく、ミセラニーです。

茨城県のお店

 茨城県のお店の客あしらいが悪いことは、定評がある。何人かの人から聞いた。今日はこんなことがあった。
 筑波西武へ「初夏を呼ぶさわやか『蔵なま』『ピュア茨城』試飲、販売会」という「JOYO WEEKLY」2009.4.17号の広告記事に釣られて出かけた。販売会は一畳ぐらいの広さの冷蔵の効いたワゴンに何本もの720ml壜を並べて、はっぴを着た販売担当者が四人ほどワゴンを取り囲んでいた。覗いている者はいなかった。女房、次男の妻女、私の三人がおずおずと近づいた。関係者だけしかいないので、あまり威勢良くは近づけなかった。販売員の一人がプラスチックのコップに酒を注ぐと、われわれの見てる前で飲んでしまった。「試飲していきませんか」と別の人が私に聞いてきて「今日は歯医者さんに行くのでちょっと」と言ったときに注ぎ出したからタイミングが悪かったのだが、好きとはいっても飲むとはね、と帰宅してから笑い合った。商売っ気が全く感じられないというのが、三人の一致した考えだった。
 何年も前になるが、笠間の窯元での買い物の話である。ぺン立てとネクタイピンを買った時のことである。どちらも400円で安いと思ってレジへ持参した。まさに店長がレジを打たんとする寸前に店長の母親が現れて、「おや、正札が違ってる、500円だよ」と言って、レジを打った。あっけにとられて、支払ってしまった。女は強し、というのか、母は強しというのか、これなども茨城県の客を客とも思わない不埒な態度である。本来なら「お客さんのおかげで、ここから先は正札を張り替えられます、どうもありがとうございます、本来は500円のはずでしたが、正札でありますから、800円ちょうだいします」だろうと思う。
 高田ではこんなことがあった。雪かき用の巨大スコップ、金属製のスコップを大きくしたもので、雪の断面にそれを刺し通してかき出してきて、堀などまで運ぶもので、ふつうは鉄製だが、たまたまアルミ製のものの安売りが広告に載った。さっそく買いに行ったら、店主が嘆くには「今日はこの雪かきばかり売れる。広告の値段を間違えた」、というのである。
 茨城県の客あしらいの悪さにうんざりするたびに高田のこの雪かきのことを思い出している。雪国の人はどこかやさしい。


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 リフレーン
 日本は原爆をもとう。


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