豊丘時竹の続続「平素の戯言」

エッセイでもコラムでも随筆でもなく、ミセラニーです。

 大学図書館の役割

 大学における図書館の役割について考える機会があった。
 図書館はITセンター機能ですべてまかなえるのか? 確かに学術雑誌を中心にして資料の電子化が進んでいる。あらゆる文字情報が電子化されそうないきおいである。そうなれば、図書館は不要である。
 すべてを電子化することは二つの面から無理があると私は考える。一つは、保存の面である。進歩への要求は限度がない。電子化の進歩は無限大である。保存法はすぐ変わる。長期の保存は電子的には無理がある。紙による保存の方がだんぜん優れている。
 二つ目は、私たちのなれの問題である。紙に印刷したものを読むというスタイルで何百年かやってきた。紙に印刷したものを読むことも何百年もやってきた。その習性は文化として現代に残っている。手書き時代も含めれば、紙に書いて紙に書いたものを読んで何千年にもなろう。なかなかこの伝統は、我々の生活からなくなるまい。
 電子化はそう簡単には進まない。図書の形で多くは残る。その管理には図書館も司書も必要である。電子図書との比率の問題が残されるにすぎない。

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