豊丘時竹の続続「平素の戯言」

エッセイでもコラムでも随筆でもなく、ミセラニーです。

ポーランドの日本語教育事情と、日本語教師の資質

 一昨日四月二十八日の「日本語教育概論1の3」は、ポーランド日本語教育事情の続きと、日本語教師に要求される資質について行われた。

1.ポーランドの教育事情
 ポーランドの大学での日本語教育について学んだ。『初級日本語』(東京外国語大学留学生センター)を使っている、という。この教科書は少し古いが、よい教科書だと評価されている。一年生でこの教科書で初級を終えて、漢字500を覚える。「文献を読み解く力」の育成が日本学科の目的である。
 ちなみに、初級は300時間と言われる。90分授業を週2回で30週(1年)やると90時間になる。3年で270時間だから、2コマの授業3年分に相当する。
 中級は300〜900時間、上級900〜である。漢字の数は初級で500字、上級では1500〜2000字である。日本では、小学校で1000字、小中で2000字覚える。中国では3000字覚える。日本語で3000字(漢字だけの数字であったか、かなローマ字なども含めての数字であったかは、不明)読めると新聞が読める。
 だからポーランドで1年で500字を覚えるのは、非常に早い。
 日本の英語の時間数は、中高あわせて、週3時間で40週で120時間になる。それを6年だから720時間になる。日本語教育の中級に相当することが分かる。
 海外における日本語の需要は、文学の価値が高いこと、ドラゴンボールやナルトなどを原語で読みたいという要望が強いこと、などがあり、そのことは、ポーランドでも見てとれることが、本文献からも分かる。
 ポーランドは、文型中心に日本語を教えていて、日研生(にっけんせい)合格は毎年20名程度である。非漢字圏では世界で一位である。成功している日本語教育のあり方の一例である。
 日研生の苦労について、先生から、文献を離れて話があった。日本の若者は「です、ます」が使えない。「先生、今ひま」と大学生に聞かれたことがある。日研生は逆に若者言葉が使えない。すべて「です・ます」で習ってくるからで、若者同士で話していていつそれから抜け出すか分からないでいる。マンガの表現を使って周囲を唖然とさせてしまった例に、「タバコなんか吸ってんじゃあねえよ」と使った人がいた。だが「です・ます」ではいつまでたっても、友人ができないという悩みもあるという。
 なお、ポーランドには日本人も留学している。


2.日本語教師に要求される資質
 このことを知るためには、学習者としてはどのような人がいるか考えてみる。
 <海外>(での学習者)
   高校生、大学生、留学希望者、日本に興味がある人(仕事、音楽、趣味、結婚、旅行)、ビジネス、専門家(マンガも専門のうちに入る)、日本人と結婚して海外に住んでいる人の子供に日本語教育してもらいたいという例がある、小学校(アメリカ、オーストラリア、中国)
   余談
   お勉強してくれませんか=値引きしてくれ(海外で作られた旅行者向けの本にあったという)
   韓国人は、フィリピン人よりベトナム人と国際結婚する例が多い
 <国内>(での学習者)
   留学生、日本語の何級という資格をとりたい人、ビジネスマン、主婦、子供、日系人、難民、中国残留孤児、中国からの帰国者、帰国生(かっての帰国子女のこと)、ニューカマー、日本語学校教師
   生きていくための道具として必要な人が多いことが分かる。


 こうして日本語学習者を挙げてみると、いろんな人がいることが分かる。それらの人に対して日本語教育をする日本語教師に必要な資質は
  実践的コミュニケーション能力
  言語感覚
   そこを曲がったら郵便局があります
   水が沸騰したらラーメンを入れます
   そこを曲がると郵便局があります
   これらの言い方の違いは、日本人より日本語学習者の方が鋭い
  国際感覚
   「どうして日本人は謝らないのですか?」とか、「原爆を落とされた訳を知ってますか?」といったことを、外国の人から問われたりするという。
  転職
   日本語教師になって転職する人は少ない。それだけおもしろい職業である。


3.実践的コミュニケーション能力を考えるために、コミュニケーションとは何かということについて、レポートをメールで提出することになった

 レポートの作り方
  三人のグループになる。一人が、「コミュニケーションって?」についてまず話し、一人が、トライアンドインタビュー形式で、質問する。三人目が書いてまとめる。まとめた人が、「〜さんの意見(書いた人の名前)」を標題にする。本文は「コミュニケーションとは、〜だと考える」として、先生へメールで提出する。三人で役割を順番に変更して、それぞれが提出する。二人組のチームは、一人が話し、残りの人が質問と記録を作り、同様に提出する。


私のレポート

 コミュニケーションとは、人が、自分と自分以外の人、物体に対して行う言動とそれに対する相手や自分の反応のことである。
 言葉だけでなく自分が相手に伝える行動と言葉、それに対する相手の行動や言葉という反応が、一組になってコミュニケーションであり、また先の文章の物体とは、ペットやロボットのことである。 二人の間だけでなく三人や四人などに人数が増えてもコミュニケーションであり、三人の場合で、一人が話し、一人が応え、三人目が無反応であっても、コミュニケーションである。対面してない状況のメールや手紙などのやり取りもコミュニケーションである。さらに、自分が自分と話し合うこともコミュニケーションである。


 蛇足です。以下に言い訳をさせていただきました。ご容赦のほど願い上げます。

 〜さんの定義とそれについての補足を示すと以上のとおりです。私が、いろいろ聞き出すのに時間をとり、私の考えを述べる時間がほとんどなくなりました。〜さんは苦労なさっていると思います。私のコミュニケーションの定義は、二人の間の対話だと思っていましたから、そう述べて終わりました。
 〜さんの定義が正しいと考えます。マスコミュニケーションはコミュニケーションに入らないという考えとのことで、これは字数が超えそうなので、何も書かないことにしました。

 
 リフレーン
 国家反逆罪新法を作ろう。


 リフレーン
 日本は原爆をもとう。


 [人気ブログランキングへ]
 よろしかったらクリック願い上げます。