豊丘時竹の続続「平素の戯言」

エッセイでもコラムでも随筆でもなく、ミセラニーです。

首相談話、大田述正さん評価せず

 大田述正さんは、談話を評価しなかった。そのように読み取った。
 私は、けっこういい談話だったと思って聞いていた。太田さんも14日のツイッターでは肯定的に評価していたが、英語訳を読んで、どうやら吉田ドクトリンに毒されたものと判定したようだ。
 15日の<皆さんとディスカッション>からコピペ(太字一部赤字)する。
 このコピペの中で「<太田>(ツイッターより)」から「[途中略]」の直前までが14日のツイッター相当部分である。それ以下が吉田ドクトリンに毒されたものと述べた部分である
「<(本コラムの以下の部分)>を参照」とある部分については、コピペした部分のすぐ下から始まっているが、長いので省略した。
 コラムのURL(イタリック)と書誌的事項はコピペの直前に置く。 


URL;http://blog.ohtan.net/archives/52229484.html
太田述正コラム#7849(2015.8.15)
<皆さんとディスカッション(続x2720)>

<太田>(ツイッターより)

 戦後70年談話:「…二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。
 事変、侵略、戦争、植民地支配から永遠に決別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない…
 我が国は、<他国とは違って、>繰り返し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきた。
 こうした歴代内閣の立場は今後も揺るぎないものだ…」
http://news.livedoor.com/article/detail/10470051/
 お見事。
 <>内は私が入れたものだが、そういう趣旨になるってこと。
 原文を改めてよく読んでみたいが、成り行きによっては、過去の欧米やロシア等の諸国全てが、この談話をもとに、(日本との比較で)糾弾されるかも。

[途中略]


 談話全文を読んだ。
 前後の文脈から、「…事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。
 植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。…」
< http://mainichi.jp/feature/news/20150814mog00m010009000c.html >
を「Incident, aggression, war -- we shall never again resort to any form of the threat or use of force as a means of settling international disputes. We・・・」
< http://mainichi.jp/english/english/newsselect/news/20150814p2g00m0dm053000c.html >
と主語を「我々」すなわち、「日本」だけに限定して公定訳したことが間違っていない以上、僕の昨夜の、この談話への肯定的評価は撤回せざるをえない。
 次世代の党を含め、日本の「右」から現在のところ余り談話批判が聞こえてこない
< http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150814-OYT1T50129.html?from=ytop_ylist >
のはがっかりだ。
 僕の批判の詳細は、本日の「ディスカッション」<(本コラムの以下の部分)>を参照。

<太田>


 最初に一言。
 安倍首相は、この談話が、私の最初のツィートのラインでできてるって信じている・・信じ込まされている?・・可能性が高いですねえ。↓

 「・・・その後の質疑応答で、彼は、現状変更をしようとするいかなる試み・・中共のことか?・・も許されるべきではない。私は、70年前の日本の歴史から学んだ教訓は日本だけでなく、その他の世界にも適用することが有益だと信じている、と付け加えた・・・」(英文からの仮訳。)
https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/no-new-wwii-apology-from-japanese-leader-abe-china-critical/2015/08/14/7f1ececc-42e8-11e5-9f53-d1e3ddfd0cda_story.html
 「・・・「世界のどこ・・ウクライナ南シナ海東シナ海・・であれ、軍事力でもって現状変更しようとすることを認めることはできない」と彼は述べた。・・・」(英文からの仮訳。)
http://www.nytimes.com/2015/08/15/world/asia/shinzo-abe-japan-premier-world-war-ii-apology.html?ref=world&_r=0

 さて、結論から先に言えば、安倍談話史観は、司馬遼太郎史観・・日露戦争までは〇、それ以降はX・・であり、かつ、米国事大史観でもある、ということです。
 吉田ドクトリン・バネは強力だった
、と言うべきでしょうか。 これは、安倍首相が、諸般の事情から妥協した、降りた、ということではなく、彼の心中には、恐らくはアジア解放史観しかなく、それを擁護してくれる学者が御用学者の中にすらいなかったから、四囲の情勢もこれあり、白旗を揚げるほかなかった、ということでしょう
 これはまた、御用学者に不勉強な者しかおらず、最近の、対ソ抑止史観を抱懐するに至っている者がいなかった、ということでもあるのでしょうね。


 リフレーン
 集団的自衛権行使を首相に決断させよう
 http://blog.ohtan.net/archives/52004075.html


 リフレーン2
 日本と中国をいつまでも仲違いさせておくことは全欧米諸国の、ここ百年の基本戦略である(藤原正彦管見妄語」162、週刊新潮31号、平成24年から)