豊丘時竹の続続「平素の戯言」

エッセイでもコラムでも随筆でもなく、ミセラニーです。

日本の軍事費は宗主国が決める

 太田述正コラムからコピペである。コピペの出発点と最終点は紫色で示し、注目してもらいたい部分は赤字で示した。 
 コラムのURL(イタリック)と書誌的事項はコピペの直前に置く。



URL;http://blog.ohtan.net/archives/52256619.html
太田述正コラム#8970(2017.3.14)
<皆さんとディスカッション(続x3281)>
<太田>

 やれやれ、よりにもよって、私の最も土地勘のある分野で私に議論を吹っかけてくるとは、ずっと、破滅型ニヒリストっぽいキミのことを心配してるんだが、一層心配が募るねえ。  枝葉の議論の前に、キミが、「軍事費は、主権(独立)と国際法強制執行を担保するための手段として、その額の多寡はともかく、最重要な財政支出なのであって、日本でも一刻も早くそうならなきゃならない、という太田コラムの根本的テーマがお気に召さない」(コラム#8964)のかどうか、まずきちんと答えて欲しいね。

 その答えを考える際の参考にもなると思うので、というか、分かってないと話にならないので、「主権(独立)と国際法強制執行を担保するための手段」ではないところの日本の防衛予算が、どのように決まってきているかを(、これまで、折に触れて書いてきたことだが、この際、改めて)簡単に記しておこう。  キミはもとよりだが、一般の読者も、質問があれば遠慮なくどうぞ。

1.吉田ドクトリンの下、日本には軍隊がなく、(軍隊的なものがあったとしても、それが実戦に使われることはないので、)実戦の経験を踏まえ、或いは、現実的な実戦のシナリオを想定し、部隊の編成や装備を決めることは不可能だ。
2.ところが、そんな日本で、(1のまま、)朝鮮戦争の時に、急遽、GHQからの「指示」内容を規模的に値切り、値切ったものから更に兵站部門を大幅に削ぐ形で自衛隊の原型が創設された。
3.爾後、自衛隊は、(1から、)この編成・装備を、米軍等の編成・装備、とりわけ、装備の変遷にタイムラグを伴いつつ追随させていく形で維持していくことになった。
4.他方、防衛予算の総額は、自衛隊創設当時はそれなりに意味のあるものだったが、爾後は、宗主国たる米国の政権が、対米議会や対米国民的に許容しうる最低額(対GNP/GDP比)を、毎年、属国日本の政権が、値踏みして決定されることになった。  (この値踏みを誤って過小な防衛予算を計上するようなことがあれば・・そんな場合に限らないが、・・日本の政権は、宗主国の政権によって、交代させられる。米国は一方的に日本国内で諜報活動を行っているので、その材料には事欠かない。
5.また、恩給制度の不存在もあり、特定の企業に装備等の調達額に応じて自衛隊幹部を天下りさせる仕組みが成立していく。
6.(4のように、)防衛予算の総額は(事実上、宗主国が決め、日本政府は)動かせないので、日本政府において、自衛隊の装備(の実戦性能に関心などないのはもちろんのことだが、それ)を安上がりなものにするインセンティブなど働くワケがない。
 というのも、防衛省(庁)側からすれば、実戦に使われることがないのだから、装備等の価格を安上がりにして調達総数を増やす意味はないし、価格を安上がりにすれば、下手をすると天下り総数が減ってしまいかねないし、また、財務省(大蔵省)側からすれば、全装備等ないし特定の装備等を安上がりなものへと査定しても、それ以外の予算をその分だけ増やさなければならなくなるだけだからだ。
7.ちなみに、陸海空自衛隊への防衛予算の配分は、「主要」装備の調達額(=数量x価格)をもとに機械的計算で行われ、残余が残りの諸機関に配分される、というルールが確立する。
 その結果、陸海空の防衛予算それぞれの額(シェア)もまた、基本的に動かせないものとして推移してきた。
 
 以上を咀嚼し、考えた上で、キミの上掲「反論」を見直し、改めて投稿をどーぞ。



 リフレーン
 防衛キャリア30年大田述正
 最大の安全保障はアメリカからの独立
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 リフレーン2
 日本と中国をいつまでも仲違いさせておくことは全欧米諸国の、ここ百年の基本戦略である(藤原正彦管見妄語」162、週刊新潮31号、平成24年から)