豊丘時竹の続続「平素の戯言」

エッセイでもコラムでも随筆でもなく、ミセラニーです。

 退職後の人生

 必ずしも退職後というわけではないが、恩師、友人の方々が、歳とは関係なくご活躍なさっておられる報に接するのは、うれしいものである。
 六十歳過ぎて俳句にのめり込んだ友人がある。「笑わせてくれた駄句です」、という選者の評を得たりなどして、人生をさりげなく楽しんでいる。人生をいちばん楽しんでいる友人です。すばらしい。
 いまだ仕事に追われている方がいる。つい最近も、10月、11月は自由にならないからよろしくといった意味のメールがあった。その一方で、ついと年金の話になってしまう友人グループもある。講演会に呼ばれて全国を飛び回ってる友人もいる。退職してからの方が忙しそうに私には見える。そう言えば、われわれの中学の卒業式の謝恩会には、当時超売れっ子だった林家三平(先代)が出演した。私はそのとき師匠のサインをもらったはずだが、さてどこにしまいこんだか。その師匠の講座での売り言葉の一つが、「体だけは大事にしてください」というような内容だった。仕事に明け暮れしてそうなお二人にはその言葉を進呈したい。
 地元の文芸同好会の会長としてご活躍の先輩がおられたことを、今朝配達された地方新聞で初めて知った。
 地方の私大で管理職となっていた友人がいた。
 晩年になると、周りを見回す余裕が少しばかりできる。若いころは心穏やかに眺められなかったかもしれない他人の満足も、少しばかり穏やかに見られる。これはやはり年の功なのか。