豊丘時竹の続続「平素の戯言」

エッセイでもコラムでも随筆でもなく、ミセラニーです。

日本語教師養成学校

 今年七月十五日から、高田馬場にある「千駄ヶ谷日本語教育研究所」で、日本語教師養成講座を受けている。研究所と称しているが、むしろ学校に近い。
 日本語といったときは国語と違い外国人を対象として意識している。つまり日本語教師は外国人に日本語を教える教師の意味であり、日本語も外国人に教えるためのものである。日本語文法、日本語の音声、教え方の実技などを教わっているが、文法などは明らかに中学以来教わってきたものとは、似ているようで別物である。もっとも最近の国語の文法を知らないから正確ではないが、国語文法ではないと思っている。文法の説明など、国語とは異なるテクニカルタームを使っつなされていく。これがなかなかおもしろいので、例示してみる。
 動詞の活用形を示すのが一番早い。
 国文法では終止形という。日本語文法では辞書形という。辞書で引くときに使う形である、ということである。未然形は「ない形」と表現する。助動詞「ない」が接続する形であることを示している。こんな具合で、国語文法との違いがけっこう大きいので、文法の先生は、ひとまず国文法は忘れてもらいたいと説明したほどである。
 一番大きな特徴は直接法である。
 これは学習者の母国語や英語などを媒介することなく、日本語を覚えてもらう仕組みである。事前の学校説明会では、「食べる」という動詞を教える模擬授業を、教師が実演してくれた。その方法は、「りんご」の模型を用意しておき、その模型を食べる様子を演技するのである。噛みとる動作をし、咀嚼する動作をし、飲み込む動作をし、「食べます」と発声する。これで「食べる」と教えるのである。食べるという動詞を教えるが、学習者が終止形、辞書形と説明することになるが、それではぶっきらぼうになるから、最初のうちは、食べます、という形で教える。ますという言い切りになるので、「ます形」と称する。初期の段階は「ます形」だけを使ってで教えていき、辞書形、ない形などに進んでいく。
 実習の勉強がこれまたおもしろい。絵で示したり模型を使ったり、身振り手振りも交えて、状況を表す文章を教えていく。実物があるものはいいが、抽象的なものは多少の工夫が必要である。例えば「近い」といった概念はどう教えるか、というと、「遠い」と一組にして教える。高田馬場から新宿は近いが横浜は遠い、というように、比較して理解させる。
 私がどんな状況で授業を受けているかについても述べたいが、紙数がつきた。


 リフレーン
 日本は原爆をもとう。


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