豊丘時竹の続続「平素の戯言」

エッセイでもコラムでも随筆でもなく、ミセラニーです。

引いたのである

 CNNの同時通訳は手元に日本語の聖書さえも用意していなかったので、トランプのスピーチの聖書の引用の部分も訳すことができず、黙っていた。その沈黙の部分でトランプは旧約の詩編の133・1にある、「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び」という箇所を引いたのである。素朴な人間の基本的な幸福感を示した私も好きな情景である。


 曾野綾子の「透明な歳月の光」からの引用である。副題には「トランプ大統領の就任式」「演説の中の意外なまっとうさ」とついている。その中の1節を上記に抜き出した。


 私は「引いた」という箇所と「箇所」の漢字を引用したかったのである。つまり「箇所を引いたのである」の部分が引用の焦点である。これを「かしょをひいたのである」と声を出していいのだろう。


 トランプ大統領の演説はたいして興味がなかった。そもそも英語が分かるはずがないからである。しかし曽野綾子のトランプ評価には興味があった。曾野綾子はかなり好意的に書いている。「私は現実を正視する勇気のある人には希望をつなぐ」という言葉に曾野綾子のトランプに対する評価が出ていると考える。そういう人だとトランプ大統領をとらえている。


 リフレーン
 防衛キャリア30年大田述正
 最大の安全保障はアメリカからの独立
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 リフレーン2
 日本と中国をいつまでも仲違いさせておくことは全欧米諸国の、ここ百年の基本戦略である(藤原正彦管見妄語」162、週刊新潮31号、平成24年から)