豊丘時竹の続続「平素の戯言」

エッセイでもコラムでも随筆でもなく、ミセラニーです。

日本海側は大雪

 私は高田に二年半、大田市に三年七か月暮らしたから、日本海側の冬がどんなものか想像がつく。とくに高田の二年半は冬を三回過ごし、内二年は未曾有の大雪に見舞われた。四階建ての鉄筋アパートが雪の重みでひび割れが入るから雪下ろしをするように、指導された。官舎であったから、官舎管理部門からの指示があったのである。一軒家は雪の中に埋もれていた。雪下ろしではない。雪掘りであった。今年の雪もおそらく雪掘りになってると思う。あと三か月、慰めの言葉が出ない。
 高田はJRの駅名に残るだけで、地名ではない。旧高田市と旧直江津市とが合併して上越市となって現在にいたっている。その旧高田市を高田と言っているのである。地図の上では高田地区と書かれているが、地名の高田というのはなくなった。
 大田市島根県の中央部にある町である。「おおだし」と読む。三瓶山があることで知られているが、石見銀山跡を世界遺産に登録しようとしていることで知られている。毒薬石見銀山猫いらずはこの石見銀山に由来する。気温そのものはかなり高いから三瓶山を除けば雪は残らないが、けっこう頻繁に降る。日本海積雪ベルトということを実感した三年七か月であった。
 過ぎ去ってみればすべてが懐かしい。正確ではないかもしれないが意味はあっている。この言葉を教えられたのは大田市であった。
 雪の便りをテレビで見るたびにこの言葉を思い出す。


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