尖閣諸島の国際裁判で日本が負ける可能性はゼロだと述べている。「太田述正コラム#5697(2012.9.2)<皆さんとディスカッション(続x1652)>」にあった。長いがURL(イタリック)とともにコピペ(太字)する。
URL;http://blog.ohtan.net/archives/52146288.html
<いしゐのぞむ>
私は長崎純心大學で漢文學などを教へてをりますが、近年釣魚列島の漢文史料を研究してをります。
貴ブログにて下のやうなご寄稿を閲覽致しました。
「尖閣諸島の領有権が台湾に属することを丁寧に説明する、台湾の学者のコラムだ。彼の指摘が正しければ、北方領土ほどじゃないけど、国際司法裁判所に持ち出したら、日本は負ける可能性が高いね。」
http://blog.ohtan.net/archives/52131257.html
ここで論及されてゐるのは、汪楫「使琉球雜録」の「中外の界」と、黄叔[王敬]「臺海使槎録」の「大船十艘を泊す可(べ)し」との二つを指します。
兩者とも釣魚列島の最も基本的にして最も著名な史料です。
臺灣の學者の素人コラムよりも、もっと基本的な研究を參照なさるべきです。
殘念ながら汪楫が臺灣海峽の西側までを清國の最東端と認識してゐたことは私が八重山日報「尖閣前史、無主地の一角に領有史料有り」にて論じました。
http://preview.tinyurl.com/d24rk7x
http://tinyurl.com/d24rk7x
また7/17産經新聞「尖閣は琉球」記事中でも少し紹介されてゐます。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/577043/
汪楫の記録した内外の界は琉球の西端の箇所に相當し、琉球西端と清國東端との間の釣魚列島は無主地だと汪楫は認識してゐます。
次に「臺海使槎録」で釣魚臺を記述してゐるのは、清國外を含む部分です。
且つ大船十艘は泊したのでなく「泊することが可能だ」と書いてあるに過ぎません。
「可能だ」は樣々に解釋できます。拙著「和訓淺解 尖閣釣魚列島漢文史料」
http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB09937668
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023746901-00
の中で原漢文とともに論じてありますので、ご參照ください。
また、7/17産經新聞「尖閣は琉球」の記事に關して下のご寄稿も閲覽しました。
「清の時に尖閣を清領とする文書があるみたい(コラム#5459)だからねえ。」
http://blog.ohtan.net/archives/52141046.html
殘念ながら上述の通り、清國が領有したといふ文書は一つも存在しません。
全てチャイナ側の歪曲解釋であり、領有を僞裝してゐるだけです。
國際裁判で日本が負ける可能性はゼロです。
拙著「和訓淺解 尖閣釣魚列島漢文史料」などを利用して基本史料の原文を閲覽なさってからご發言頂きたい。・・・
もし宜しければ上記拙著を贈呈し<ます。>
<太田>
ぜひ読ませていただきます。
リフレーン
集団的自衛権の行使を首相に決断させよう
http://blog.ohtan.net/archives/52004075.html
リフレーン2
日本と中国をいつまでも仲違いさせておくことは全欧米諸国の、ここ百年の基本戦略である(藤原正彦「管見妄語」162、週刊新潮31号、平成24年から)