豊丘時竹の続続「平素の戯言」

エッセイでもコラムでも随筆でもなく、ミセラニーです。

尖閣問題は太田述正に聞け

 以下にふたつのコラムから肝心の部分をコピペして貼り付ける。コピペした文言は太字で、そのコラムのURLはイタリックで示した。
 ひとつめのコラムでは、尖閣問題をめぐる反日暴動について、ふたつめは、中共当局に尖閣を掠め取る意図などないことを述べている。
 


太田述正コラム#2012(2012.9.22)<皆さんとディスカッション(続x1671)
URL;http://blog.ohtan.net/archives/52148563.html

<太田>


 私は、(捕虜殺害・・とりわけいわゆる南京事件の際の大量捕虜殺害・・はともかくとして、人間主義的であるはずの日本人兵士達の多くが、どうして、日支戦争の際にあれほど支那住民に対して暴行陵虐を働いた・・この事実を否定する、あるいは否定したい日本人が少なくないのはとんでもないことだ・・のか、説明をあえて試みてこなかったけれど、戦前、直接間接、支那人接触した日本人が支那人一般を軽蔑しきり、彼らを人間以下の存在とみなすに至っていた、という部分があったことは否定できないと思う。
 もちろん、そんなことは、彼らの行動を免罪するものじゃないがね。
 今回の尖閣を巡る騒動で、広範な日本人が、戦前の日本人と同じ支那人観を抱くに至ったんじゃないかな。

 若干、付け加えておこう。
 昨日引用した記事
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120919/237016/?P=1の最後のあたりで、張なる人物が、日本人の「ダブルスタンダード」を批判する箇所があるが、それが、言いがかりであることが、下掲の記事から分かるな。


 「ネット規制・報道抑制…中国がデモ再発防止策・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120921-OYT1T01135.htm


  要するに、日本人の大部分は、今回の反日暴動は、負け組の民衆の中共当局への不満感情を利用して、直接的間接的に中共当局が仕仕込んだと見てるわけで、本当に反日感情を彼らの多くが抱いているとしても、それだって中長期的に中共当局が仕込んだものでしょ、と思ってる。
 しかも、反日暴動に加わった民衆の少なからぬ部分は、その機会を利用して、商品略奪までやってのけた。
 中共の当局も当局だし、民衆も民衆だ、と日本人の大部分は思い知ったことだろうな。



 太田述正コラム#5743(2012.9.25)<皆さんとディスカッション(続x1674)
 URL;http://blog.ohtan.net/archives/52148913.html
<太田>


 口あんぐり。
 一体いつ、「尖閣を掠め盗るようなこと」を中共がやったのさ。
 中共当局に「尖閣を掠め盗る」意図などあるワケがないのは、彼らが、日本を本格的に再軍備させることにつながるような愚行を犯すはずがないからだし、仮に気ー狂ってその意図を持つに至ったとしても、それを決行するだけの軍事能力は・・相手が自衛隊だけでも・・見通しうる将来にかけて中共にはない、ってのがボクの一貫した指摘だけど、これに納得できない人は、中共当局がキチガイだと思ってるのか、軍事に無知であるか、その両方かだな。
 今、中共当局がやってるのは、中共国内向けパーフォーマンスであって、せいぜい、公私の艦船に尖閣周辺の領海侵犯を繰り返させるってことだけだ。
 そんなもんだけで、本格的に再軍備に乗り出すほど日本を怒らせるようなことはありえない、と彼らは踏んでるんだよ。
 (その程度の情報収集能力がなかったら、中国共産党による支那における権力掌握など到底不可能だっただろう。この関連で言えば、日本政府の尖閣国有化に連中が怒ったなんてことだって、およそありえないことさ。)
 大体からして、その程度のことなら、台湾だってやってるぜ。もっとも、こっちは領土紛争というより、李登輝元総統が言うように、実態は漁業権問題だけど・・。↓
http://digital.asahi.com/articles/SEB201209250001.html?ref=comkiji_txt_end_t_kjid_SEB201209250001 
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2012/09/25/2003543597
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2012/09/24/2003543517
 (ただしだ。馬現総統も、もっとうまく立ち回らないと、せっかくの良好な日台特殊関係を損ねかねんぞ。いざという時に、米軍が日本の基地を使って台湾を助けに行くのを日本は「事前協議」で阻めるんだからね。)


 香港の活動家が尖閣に上陸したのは、(彼らが「民主」活動家でもあるから、ということとは関係なく、)中共当局にとっても好ましからざることだった。だからこそ、その後、彼らが再び同じことをやらないように手を回してるだろ。
 日本が、領海侵犯に対して海上保安官(巡視船)に武器使用権限を与えただけでも、(これに加えて防衛費の漸減を来年度予算で止めれば鬼に金棒だが、)領海侵犯はピタリと止まる、と予言しておこう。


 そうは言っても、下掲↓のような認識は、マクロ的には正しいけどね・・。


 「尖閣:「中国は100年前の帝国主義」 ドイツ紙が批判・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20120925k0000m030099000c.html


 留保を付けておこう。
 以上は、すべて、集団指導制の「中共当局」の一体性が健在である、という前提の下での話だ。
 (「日本当局」の一体性が揺らいでいた幕末に、長州藩が攘夷を本当に決行しちゃった下関戦争
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8B%E9%96%A2%E6%88%A6%E4%BA%89
が起こったことを思い出して欲しいね。)
 だけど、下掲の一連の記事を読んだけど、健在である、と断定していい、とボクは思うね。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1901U_Z10C12A9000000/
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2406H_U2A920C1FF1000/
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2400P_U2A920C1000000/?dg=1
http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_144612



 リフレーン
 集団的自衛権の行使を首相に決断させよう
 http://blog.ohtan.net/archives/52004075.html


 リフレーン2
 日本と中国をいつまでも仲違いさせておくことは全欧米諸国の、ここ百年の基本戦略である(藤原正彦管見妄語」162、週刊新潮31号、平成24年から)