本書は、巻末の佐高信による解説にもあるとおり、訴えられることを覚悟で具体的に実名を挙げて防衛省の闇に迫った内部告発書である。
そのことを著者は44ページの「第二部 告発」の梗概で以下のように述べている。
「翌0七年、私は額賀福志郎、加藤紘一、中谷元、大島理森、浜田幸一ら、防衛施設局に口利きを依頼した政治家の実名を公表した。名誉棄損で訴えられることを覚悟の上の告発であった」。
すばらしい本である。全部で24の節n分けて、防衛省を通して日本の戦後すぃじを批判している。しかし私には、本書の目的は政治家を告発したところにあるのではないと読み取った。読むべきは次の三点ではないか。ページ(何行目であるかは省略する)を示した上で、全文をそっくり書き写させていただく。
(1)の1、148ページ
「誤解を恐れずに言うなら、そもそも悪いのは有権者である一般国民である。/(改行一字空け)自民党系政治家に口利きを依頼してきたのは一般国民の一部かもしれないが、そのことを知ってか知らずか、自民党の一党支配を半世紀にわたって維持させてきたのは大多数の一般国民であり、その結果もたらされたのが、政官(と業)の退廃であり、腐敗なのだ」。
(1)の2、215ページ
「繰り返すが、どんなに最大野党の民主党がダメでも、とにかく政権交代を実現するしかない。民主党は自民党に比べれば、はるかに退廃・腐敗してない」。
(2)(3)は、佐高信の「解説」に抽出・説明されている。
243ページから244ページにかけて、中村喜四郎が防衛庁政務次官だった時に、著者たちキャリアが、中村から願いごとを言わされた経緯を抽出して説明したあとに、こう書いている。
(2)244ページ
「もちろん、著者は集団的自衛権を認めさせてほしい、と願ったのである」。
すぐ続けて佐高は
(3)244ページ
「この問題について、版元の立場は、まったく違う。それを認めさせてはならないと思っており、それを護憲のある種の生命線と信じている」。
版元とは「株式会社金曜日」である。北朝鮮が核兵器を持った今となっても、集団的自衛権を認めさせてはならないと思っていて、護憲を信条とする人たちがいる、ということは、分かっているつもりでも、やはり驚きである。
本書は、題名に「告発」という文言があることからも分かるとおり、事実の積み重ねで構成されていて興味深い書であるが、245ページもあるかなりの量のあるものである。とてものことにそれをまとめるなどということは、私には荷が重すぎる。上記の三点を抽出することで読者諸氏のご寛恕を願う。詳しくはぜひご購入の上、お読みいただければ幸いである。下記URL経由でお買い求めいただければ一層ありがたい。
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リフレーン
日本は原爆をもとう。
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